実体説と関係説という二項対立の克服へ

一般社団法人欧亜創生会議は、日本でもめずらしい、時空論を専門に研究をされている藤田 翔博士をお招きし、ZOOMで開催している勉強会「時空を考えるための基礎理論」の第四回目を、2020年9月26日(土)10時より11時半まで開催し、11名の研究者や学生の方々が参加されました。

これまでの第一回目~第三回目にかけて、ニュートン力学における、”Container”としての時空と”Contained”としてのモノという考え方から、時空は場やモノとの総合的な存在者の一つである、という一般相対性理論によるいわいる「時空革命」までの歴史を振り返ってきました。またその歴史の中で、実体説と関係説という二つの相対する考え方があることも議論してきました。

しかし今回、「計量(メトリック)が時空の表現者である」という計量実体説の考え方が導入され、時空は時空点の原初的同一性(そのもの性)に依るのではなく、計量=時空である、そのことによって非決定性が回避される、との現代版実体論の立場が紹介されました。このことによって、実体説と関係説が、それぞれにブラッシュアップされることにより、結局のところ、限りなくお互いに歩み寄っているともいえる状況が指摘されました。実際、重力場としての時空が、実体説と関係説との二項対立を超えた重力論を必要としているのであり、これを次回第五回へのイントロダクションとして、第四回目を終了いたしました。

若手研究者によるさらなる相互交流・対外発信へ

一般社団法人欧亜創生会議では今後とも、若手研究者の相互交流を深めるための場を提供し、またアカデミズム以外の場と、研究者の方々との橋渡しができるよう、努力してまいります。

「時空を考えるための基礎理論(第四回)」を開催いたしました