日露青年交流協議会では2021年3月7日(日)、ロシア大使館参事官でロシア国際文化協力庁駐日代表であるチトフ・イーゴリ氏をお招きし、「映画で学ぶロシア人の常識」と題して、コメディー映画の巨匠レオニード・ガイダイ監督作品についてのオンライン・セッションを開催いたしました。26名の方の参加をいただきました。

ガイダイ監督の最盛期は、1965年の『オペラ―ツィア・ウィー:シューリックの冒険』から始まり、『コーカサスの虜』や1968年の『宝石の手』『12の椅子』、そして1973年の『イワン・ワシーリエヴィッチの転職』まで、実質的には短い期間だったといえるかもしれません。しかし、そのコメディー作品のみならず、彼自身の人生そのものも面白いエピソードがあふれている点は、日本であまり知られていません。

例えば、アメリカで撮影を行った際、ドナルド・トランプ氏が所有するカジノでロケがあり、映画にエキストラ参加するのが好きだったトランプ氏は、カジノを特別に貸し切りにして、自分も「ロシアの映画に出演しよう」と考えました。しかしガイダイ監督は「そんな奴は知らん」ということで、出演を許さなかったとのこと。結果から見れば、その作品は駄作に終わったので、トランプ氏にとって、でなくてよかった、ということのようです。

そのようなエピソードは一例にすぎませんが、今回のオンラインセッションでは様々な面白いエピソードが紹介されました。その後、代表作の一つである『宝石の手 (Бриллиантовая рука)』の名シーンを実際に観ながら、その背景にあるソ連での当時の社会背景、ロシア人としての常識など、日本人として鑑賞するなかでは全く分からなかった側面が明るみに出され、多くの発見がありました。

日露青年交流協議会では、引き続き、『宝石の手』の鑑賞会を予定しております。

映画で学ぶロシア人の常識(第二回)を開催いたしました!
Tagged on: